そもそもお歳暮という文化はいつからはじまったのでしょうか?
社会人になると上司に送った方がいいのか、結婚後は両家に送った方がいいのか、
送る際は失礼のないように贈りたいものですよね。
今回はギフト歴20年以上のギフトコンシェルジュひろせが、
お歳暮の基本マナーをしっかりとお伝えさせていただきます。
目次
お歳暮の起源について
お歳暮という文化が始まったのは、新年にご先祖様をまつる「御霊祭(みたままつり)」のためにお供え物を用意し、
年の暮れに本家に持ち寄る行事のことでした。
そこから年末に帰省できない子どもや遠方に住む親戚が、
お正月にご先祖様・神様を迎えるためにお供えものや祝い肴を本家へ贈るようになりました。
その後、お世話になった人に贈りものをする習慣へと変わり、今の「お歳暮」の形になったと言われています。
お歳暮ってそもそも誰に渡すもの??
ここまでお歳暮の歴史とマナーについてお伝えしてきましたが、
そもそもお歳暮は誰に渡すものなのでしょうか?
基本的には親戚、上司、仲人、取引先、得意先、習い事の先生などがあげられます。
あくまで例なので、近年では身近でお世話になっている人にしか渡していないなど、様々です。
お歳暮の贈る時期は!?
電車や街中での広告をみて、「今年もお歳暮の季節が来たな・・・」と感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、お歳暮を贈る時期は地域や贈るものの内容によって多少ずれがあります。
関東地方
・12月初旬~20日頃
関西地方(西日本)
・12月13日から20日頃
最近では、関東の期間に合わせて贈ることが多いですが、
いずれにせよ、12月20日迄を目安とする方がいいでしょう。
しかし、お正月用の生鮮食品を贈る場合は遅めのほうが親切ですが、
年末の忙しい時期に届くと先様のご迷惑にもつながるため、
12月25日頃までには届くように贈るよう心がけましょう。
予算はいくらが相場??
お歳暮の予算は一般的に¥3,000~¥5,000ぐらいと言われています。
贈る相手としては上司や仲人、得意先や習い事の先生には予算を¥5,000にする方が多いです。
また、「来年もよろしくお願いします」の意味合いも含まれるのがお歳暮なので、
お中元より若干価格をあげる方が多い傾向です。
お中元を贈っていないくてもお歳暮は贈るという方もいらっしゃいます。
また、あくまで予算なので¥10,000以上のお歳暮を贈る方もいらっしゃるので,
相手との関係性を踏まえて贈るようにしましょう。
お歳暮の熨斗(のし)紙について
ここでは、お歳暮の際の熨斗紙についてお伝えしていきます。
基本的に12月中にお歳暮を贈る場合、
熨斗紙は「御歳暮」という表書きで贈ります。
しかし、それ以降になると熨斗(のし)紙が変わってきます。
※本来熨斗(のし)とは表書きの横についているひし形の部分ですが、近年掛け紙のことを熨斗(のし)と呼んでいるので熨斗(のし)として本文に記載させていただきます。
※表書きとは熨斗紙や熨斗袋の上段記載する言葉です。
記載する名前について
熨斗(のし)下は名字だけでいいの?連名の場合は?と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
基本的にお歳暮の熨斗(のし)下は個人で送る場合苗字のみで大丈夫ですが、
上司に贈る場合などには姓名記載でも大丈夫です。
また、連名で送る場合は目上の方の名前を右から順に記載しますが、
基本的に3名までにしましょう。
それ以上になる場合、は代表者の方の名前だけを記載し、
その左下に「他一同」として別紙に全員の名前を記載するようにしましょう。
お歳暮期間を過ぎた場合の熨斗(のし)紙の書き方
地方によって期間は変わりますが、1月からは「御年賀」として贈ります。
期間は地域によって異なりますが、大枠としては、
- 【関東】1月1日~7日
- 【関西】1月1日~15日
※関東と関西では松の内の期間が違うため若干期間が変わります
お年賀の期間を過ぎた場合の熨斗(のし)紙の書き方
事情があって、「御年賀」を期間中に送れなかった場合、「寒中御見舞」「寒中御伺」となります。
こちらは、遅くとも立春を迎える2月4日頃までに贈るようにしましょう。
また、目上の方に贈る場合は「寒中御伺」と書くとよりよいとされています。
喪中の場合の贈り方
お歳暮を贈ろうと思っていても「注文後に喪中はがきが届いた!!」「人づてに喪中であることを知った」ということもありますよね。
そんな時でも安心してください。
基本的にお歳暮は、日ごろの感謝の気持ちを表す意味があるので、贈り主、贈り先様が喪中であっても差し支えありません。
しかし、熨斗(のし)紙は水引きなしで「御歳暮/名前」で贈るのがベターです。
忌中の場合
四十九日が過ぎてない場合や、先様が気落ちされていると感じたら時期をずらして
「寒中御見舞」や無地熨斗で贈るようにしましょう。
この時、喪中の方には松の内の時期を避けた時期に贈りましょう。
また、同じ地方であっても地域により、時期に差がある場合があるので、
あらかじめ確認しておいた方がベターです。
品物も、紅白など祝い事を連想させるようなものは避けるようにしましょう。
お歳暮は内熨斗・外熨斗について
内熨斗(商品に熨斗を付ける場合)と外熨斗(包装紙の上から熨斗を付ける場合)がありますが、
以下のようなイメージをしていただくと分かりやすいかと思います。
内熨斗:宅配の場合や控えめにしたい場合
外熨斗:お寺や会社に贈る場合
ただし、使い分けには「関東は外熨斗、関西は内熨斗を好む」と言われることがありますので、迷ったときは身近な人や店員さんに相談しましょう。
お歳暮を貰ったけど返すべき??
お歳暮は日ごろの感謝の気持ちなので、基本的に返さなくて大丈夫です。
ただ、お歳暮が届いたらお礼状やメール、電話などで必ず連絡するようにしましょう。
また、「返さないなんて失礼だ」と思われる方は熨斗(のし)を「御歳暮」もしくは無地熨斗で返し、
今年だけ贈る場合は「御礼」と記載するようにした方がいいでしょう。
※お歳暮は一度贈りあうとしばらく続く傾向にあるため。
お歳暮の選ぶ基準と贈ってはいけないNG商品について
基本的に先方の好みに合わせたものを贈るのが一番です。
小さいお子様がおられるご家庭にはお子様も喜ぶようなものを贈る、
企業に送る際は個包装でみんなで食べやすいものにするといった配慮が必要です。
基本的に食品をお歳暮で贈りますが相手の好みが分からない場合、
洗剤やカタログギフトを贈る方も稀にいらっしゃいます。
しかし、贈ってはいけないものとして別れを連想させるようなものは避けましょう。
・現金、金券
・はさみや刃物(縁を切るという意味があるため)
・靴・スリッパ(履物であることから踏みつけると連想されるため)
・ハンカチ(手巾れ「てきれ」という言葉が手切れ「絶交」という意味に通じます)
いかがでしたでしょうか?
意外と知っているようで知らないお歳暮マナー。
是非参考にしてみてください。
ライター:ひろせ
ギフトコンシェルジュ/歴:20年以上
営業を経てギフトコンシェルジュになりました。
最近、韓国ドラマにハマっています。